




SOLD OUT
*お一人1冊までとさせてください!!
LOS ANGELES CAR CLUB
2016
<NO.12 GALLERY>刊
128P 65photos
23cm x 28.4cm
1200 copies limited
Signed book
2016年は3冊も本を出した。2005年の『POOL』以降作品を発表していなかったので、ほぼ10年ぶりである。その間、何をしていたのかというと請負仕事をしていたのである。様々なところからの要求に応え、個人であるいはチームで答えを出していく。10年間はほぼそれに没頭してきたのであった。それは楽しかったからできたんだと思う。しかし、作品を残せていない焦りがなかったわけではない。
2008年頃からなんとなく撮っていた車のサイドアングルの写真を意識的に撮り始めるようになった。路上に駐車してある面白い車を撮ってもなんだか物足りない。フリーウェイを走りながら、助手席の窓を開けて、追いかけるように撮る。たまに追いつけず、ロックオンはしたものの出口で高速道路を降りてしまったり。なかなか撮りづらいことも僕のやる気を掻き立てたのかも。ワイドレンズは使いたくないから、ブローニーサイズのカメラに標準レンズだけを付ける。そうなると、当然、被写体との距離が必要となる。最低3車線は欲しい。つまり僕が乗っている車が走るレーンと被写体のいるレーンとそのあいだに3車線で合計5車線は必要だ。僕が走っている車線は追い越し車線になってしまうので、スピードが出ているが、被写体となるクセのある車は一番遅い車線を走っている。なのでスピードが合わず、早い車線で遅い運転をするという度胸のある運転手じゃないとむすかしいのだ。
それにしても微妙な車を多く撮影している。フリーウェイ上で僕が撮りたい!と思う車のなんと微妙なことか。何を基準にしているのか、自分でもよく分からないところがある。でもこうして撮影を進めていきながら、瞬時に自分の反応に素直に従っていくことで、自分が被写体のどこに反応しているのかが分かる。改めて自分を知るのことになるのかもしれない。